シャンプーは頭皮や毛根を傷めてしまいますが、
毛髪自体も傷つけてしまいます。
シャンプーが毛髪を傷つけてしまう理由は?
頭皮から出ている毛髪は死んだ細胞から構成されています。
1本1本の毛髪は通常3層構造で構成されていて、
一番外側の硬い透明の細胞がうろこ状に重なりあっているのが
「キューティクル」です。
キューティクルは汚れや外界の異物の侵入をくいとめ、
髪内部の水分などの蒸発を防いでいます。
その内部にあるのが、「コルテックス」と「メデュラ」という組織です。
毛髪の1本1本を、根元から毛先までコーティングしているのが、
皮脂腺から分泌される皮脂です。
毛がもつれないのは、皮脂が毛髪をコーティングしているおかげです。
シャンプーの界面活性剤は強力な洗浄力によって、
この大事な皮脂を洗い流してしまいます。
皮脂という天然のコーティングを失ったキューティクルは
乾燥してはがれ、内部のコルテックスやメデュラのダメージを受けます。
リンスやトリートメントをつけておけばしっとり、つるつるになり
安心と思われるかもしれませんが、皮脂ほどすぐれた働きはありません。
皮脂はオレイン酸などの脂肪酸、トリアシルグリセロール、
スクワレン、コルステロール、ワックスといった多くの脂性成分
で構成されています。
油脂は空気にふれると、酸化しますが、皮脂を構成する脂性成分は
酸化するまでの時間がそれぞれ違います。
頭皮に出てきてすぐに酸化する脂もあれば、長時間酸化しないで
残るものもあります。
酸化物や過酸化物などは水に溶けるので、水で洗っていると酸化しやすい
脂性成分から順に脱落していきます。
こうして最後まで残り、毛先まで守り続けるのが、皮脂の脂性成分の中でも
かたくて、水にも流れにくいワックスなのです。
ワックスは約1年~2年も毛の表面にとどまって、毛穴を守り続けていると
思われます。
酸化した油脂は水で洗いさえすれば落ちるので、頭皮を酸化物で傷める
ことはありません。毛髪を健康に保つために、シャンプーを使う
必要はないのです。
いずれにしても、皮脂は時間の経過に伴って、毛髪を守る脂性成分を
変えていくようにプログラムされているのです。とてもよくできたシステムです。
リンスやトリートメントにはこのようなことはできません。
このすばらしい皮脂をわざわざシャンプーで洗い流してしまい、
皮脂よりも劣るリンスやトリートメントをつける必要はありません。